2010年1月5日火曜日

Tipping Pointを読んで、刺激はマックス。

今晩San Diegoに帰ってきましたDoublesです。
やはり、東海岸を見て思ったが、西は落ち着く。とにかく温かい。
西のSilicon Valley, 東のWall Street的なイメージが肌で感じられた2週間だった。

さて、旅中に読んでいたMalcolm Gladwell著Tipping Point』について本日は語りたい。
なぜなら、この本が激動の2010年に改めて与える影響が大きいと自分は感じるからである。

まず、この本は何が良いたいかというと:
『Tipping Point(世界の認識変化・社会現象)は共通して、一瞬にして起きる条件がある』
ということ。
そして、社会的な流れを生む際の『点』自体を、自ら創るための心得を説いているのが本書である。

次に、本書の重要なポイントを要約すると、Tipping Pointを起こすために必要な条件は:

The Law of the Few:
社会を沸かす流れを創ることはたった一人でも実現可能。
俗に『Connector』と呼ばれるような人間、人を魅了する人間的な力で溢れた人間が口コミを行うと、その周りの人間が気づき、その周りの人間の周りの人間が同様に沸く、というサイクルを創れる。
そして、過去の事例からみても、Tipping Pointは少数の人間の力でスタートする。

Stickiness
どれだけある流れを社会にもたらしたくても、その想いを相手にストンと腑に落ちる形で伝えることが出来ないと何も動かない。先程、聞いたアイデアがどうしても耳から離れないという『粘着力』の必要性をGladwellは説く。アツい想いがあるのなら、情熱とクリエイティビティーをもって『何』かを伝える重要性は、認識すべきところ。

Power of Context:
ここでGladwellは『状況(Context)』の意義を再認識させてくれる。私達が何かを感じる時、その感じ方の大部分は自分自身の内部的な意思決定よりも、その瞬間の状況・環境・自分を取り囲む場の匂いによって左右される。逆にいえば、その外的な要素をずらすだけで、結果に決定的な変化をもたらすことが可能なのである。これは有名な、『壊れ窓理論』にも深く通じる。1980年代にNYの治安の悪さを解決した手段は、『Contextの転換』であった。壁にある落書きを消す、というシンプルな解決方法によって人々の認識方法に劇的な変化を起こせたのである。

Gladwellが指摘するTipping Point創造に必要な条件は以上である。

個人的には以上の3点にはもう一歩一貫性が欲しいところだが、それぞれが意味しているところは大きいと感じる。

社会の流れを創るには『数』も大事だが、
初めは『質・想い・アイデア』。


世界の自分が感じる問題にインパクトを与えること、世界を相手に驚きを提供することには、旧来の資金的・人脈的なリソースはもはや絶対条件ではない。

伝えたい想い・原動力は何か?
またそれを発信するためのアイデア(認識転換、Stickiness、仕組み)があるか?

より面白く、よりアツく勝負が出来ないか?
そう常に問うことで、自らの・人々の認識を転換するアイデア(Tipping Point)は生まれる。
その結果、自分自身がTipping Pointになれること。

それを改めて痛感出来る好著だった。

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