2010年3月31日水曜日

Chasm Bridge 58: 【後半】NY発! 現在アツいスタートアップ、トップ20 #wondershake

今晩はKMD入学予定のS氏とお会いし、先程帰宅。
これもまたフレッシュな出会いとなり、また改めて勉強が出来ました。
今後のKMDに関する情報が楽しみです。

そして本日午後アップデートしたNY発スタートアップの前半記事ですが、予想以上の方からコメントを頂けました。ご覧になって頂いた皆様、どうも有難うございました。
やはり日本ではスタートアップに関する触媒が足りないと痛感します。



また前半に登場したEtsyというスタートアップに関する詳しい記事をスタンフォードで勝負中の@makoto_kondo氏が取り上げて下さっていました。非常に参考になります。
eBayと一線を画すEtsy.comの凄み - IPOはもうすぐか

さて。では早速後半戦に入りたいと思います

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11. Fluidinfo:世界中を書き込み可能に



創設者:Terry Jones

概要:Terry氏は彼のデータベースであるFluiddbを用いることで世界中を『書き込み』可能にしようと狙う。データベースはウェブページそのものを象徴し、人々・企業・場所・商品等々がエントリー出来る状態に仕上がっている。Wikipedia同様、全てのエントリーは書き込み・編集可能で、誰でも自らのオピニオンをFluiddbに付け加えることが出来る。

収益モデル:Fluiddbは第三者がアプリケーションを作成する場としてデザインされている。Terry氏によれば、最初は可能な限り全てをオープンにしたいとのこと。しかし長期的には、第三者に対して、データベースを活用した大規模な課金システムを構築する予定だ。

投資者の有無:Fluidinfoは現在NYのベンチャーファームからの出資の最終取り決め段階に入っている。これまでは、Terry氏が当企業をバルセロナを拠点に動かしていたが、今後はNYを中心に活動する予定。そして数週間以内に採用募集をかけていく。シード投資家としては Esther Dyson氏が既に参画している。

12.Onewire:職業ネットワークに対して奇抜なソリューションを提供



創設者:Skiddy von Stade

概要:Onewireは既存の職業ネットワーク(つまりLinkedIn)、特にファイナンス業界に対して宣戦布告した。同社は構造化されたデータを用いて職のマッチングを円滑化し、個人プロファイルは厳格に管理し、リクルーターが目的を実現するようBounty(報奨金)システムも設けた
より詳しくはこちらから:
New York Startup OneWire Goes After LinkedIn, The Ladders

収益モデル:OneWireはリクルーターに対して、1ライセンシングにつき150万円を請求。

投資者の有無:合計で67名の投資家が参画。計17億円を獲得。

13.Square: ユーザーがiPhoneを用いた支払いを可能に



創設者:Jack Dorsey, Jim McKelvey

概要:SquareはユーザーにiPhone、そしてクレジットカード、そして小さな受信機を提供することでどんな支払いも可能にした。

収益モデル:Squareは取引費用からのパーセンテージで収益を上げる予定。しかしユーザーは出来る限りその費用を最小化したいので、同社自身がクレジットカード企業に対してのある程度支払いを行う故、マージンは小さくなると見込まれる。

投資者の有無:Khosla Ventures, Greg Yaitanes, Marissa Mayer, Dennis Crowley, Kevin Rose, First Round Capital, Ron Conway, Biz Stone, Joshua Schachter, Shawn Fanning, Zachary Bogue, Andrew Rasiej, David Lee, Esther Dyson, Robin Chan, Fritz Lanman, Brian Pokorny (10億円)

14.Adsafe:オンライン広告主を守るサービスを提供



創設者:Helene Monat, Kent Wakeford, and Will Luttrelle

概要:AdSafeはオンライン上で、不適切なコンテンツ付近に広告主の商品が登場することも回避するサービスを展開。オンライン業界の多くのビジネスは広告掲載位置を事後的に監査しているが、AdSafeはこれをリアルタイムでチェックしてくれる。当社のビジネスは日々成長しているとのこと。

収益モデル:隠し事なく、こういったサービスは単純に費用を請求できるものだ。

投資者の有無:現時点で投資者は未公開

15.MyNines:サンプル販売サイトのオファーを集約してくれるサービス



創設者:Apar Kothari and Gil Moran

概要:MyNinesはサンプル販売サイトからのオファーを集約してくれる。当市場は急速に成長中で、MyNinesは現時点で上手い具合に成長を遂げている。

収益モデル:取引において大きなマージンを獲得中。

投資者の有無:現時点で投資者は未公開

16.OMGPOP:カジュアルゲームサイトの提供



創設者:Charles Forman

概要:OMGPOPはカジュアルゲームサイトである。

収益モデル:OMGPOPは広告掲載・ゲーム販売・そしてユーザーのプレミアムアカウントから収益を獲得。

投資者:Kevin Rose, Brian Pokorny, Spark Capital, Baseline Ventures, Marc Andreessen, Betaworks, Bessemer Venture Partners, Ken Lerer (6.5億円)

17.BuzzFeed:トレンドをいち早く拾い上げるサービス



創設者:Jonah Peretti, John S. Johnson, Ken Lerer

概要:BuzzFeedはアルゴリズムと人間行動をベースに、人気のウェブコンテンツを集約するトレンド集積サイトだ。

収益モデル:BuzzFeedはバイラル広告プラットフォームを構築し、ブランディングを兼ねたコンテンツ提供を行ってそこから収益を上げている。

投資者の有無:Softbank Capital and Hearst Interactive等

18. Stackoverflow: 問いと答えを共同編集出来るプログラマーのためのサービスを展開



創設者:Jeff Atwood and Joel Spolsky

概要:Stackoverflowは『問いと答えが共同編集される』プログラマー専用サービスだ。私達が質問をした1人のベンチャーキャピタリストは、『どんなプログラマーに聞いても良い。彼らはこのサイトをリソースの宝庫と呼ぶはずだ』私達と共に仕事を行うプログラマーにこの指摘を説明したところ、『流石に宝庫とまでは行かないが、確かに素晴らしいサイトだね』と返答された。

収益モデル:Stackoverflowは完全に広告にサポートされたビジネスモデルだ。

投資者の有無:現時点で投資者は未公開

19. MakerBot: 3次元物体を印刷するプリンターを開発



創設者:Bre Pettis, Adam Mayer, and Zach Smith

概要:MakerBotは『3Dプリンター』の開発に成功した。3次元の物体をウェブ上でデザイン、又はダウンロードし、Makerbotはそれをプラスチック素材でプリントアウトしてくれるのだ。ユーザーがデザインをアップロードし、世界中の人間がスペックをダウンロード後、そのコピーをMakerbotを駆使して獲得することが可能になっている。なんと、これが実現可能なのだ。

証拠として、是非ビデオを確認して欲しい。

Makerbot2 from Preethi Dumpala on Vimeo.



収益モデル:Makerbotは750ドルで販売される。

投資者の有無:Adrian Bowyerを始め、現時点では未公開の投資家が数名参画。

20.Speakertext: YouTube動画の音声を文章化するサービスを提供



創設者:Matt Mireles and Bjorn Liljequist

概要:SpearkerTextはYouTube動画に対応する文字を起こしてくれるサービスだ。そして文章化されたコンテンツを基に、見たい動画の部分を的確に再生することが可能で、それに対応するリンクも創ることが出来る。

収益モデル:Matt氏によれば、SpeakerTextのビジネスモデルは、『スタートアップの世界では風変りかもしれないが、私達は当社のプレミアムサービスに対してユーザーに課金を行っていく予定だ』と述べる。そして広告収入はない予定だ。

投資者の有無:現時点ではゼロ。

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以上でNY発のスタートアップトップ20は終了です。

やはり後半も面白いサービスが多くありました。
Twitterを開発したJack氏率いるSquare(SquareとHunchから同じ匂いがするのは何故でしょう・・)はもちろん、LinkedInに勝負を挑むOneWireや3Dプリンターという未開拓な領域に旅をするMakerBot等も要チェックです。

そして。
こうして見ると、本当に日本から面白いスタートアップが生まれないと痛感します。

当然、ただ単にスタートアップが生まれれば良いという訳でもありません。それは表面的な話です。
本質的な問題は、日本人が挑戦をしていないということ。
これを問題視するか否かというより、日本人で挑戦をするアイデア&気概を持った人が登場しないことは世界から見てつまらない、そう思います。

これは自戒を込めて言っています。
取り組みたい問題が見えていないのか、見えているがソリューションを提供出来ないのか、問題もソリューションも分かってきているがただそれをExecuteする気概ないのか。
問題は多岐に渡ると思いますが、自分はどうしてもこの現状を(もちろん自分の取り組みを含め)どうにかしたいと考えています。

挑戦を疎外する環境の有り様、社会の雰囲気等はあります。
しかしそれをいつまでも言い訳にしていたら、もしここで変化を生めなければ、日本はどうしようもなくつまらない国になるのでは?と危惧しています

そして、壁をこじ開ける鍵としてTwitter, USTREAM等のソーシャルメディアを駆使することは肝でしょう。

ソフトバンク、楽天等の日本の大企業が着々と挑戦を行う一方で、米国並み(それを超える)スタートアップが独自のやり方で出てくること。

どうしてもその未来像を実現したいと改めて感じます。

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