2010年2月20日土曜日

Chasm Bridge 37: 『ビジョン』が『テクノロジー』を創るという世界観 #wondershake

本日は本当に発見の多い日でした。

早朝から、尊敬する@retz氏と半年ぶりに1時間半程スカイプ対話。
そしてその後は、色々と接点の多かった@daisuke344君とスカイプで初めてお会いし、2時間程対話。

この過程で自分の世界観が揺れる大事な発見がありました。
本日は事例と共にそれを共有したいと思います。

結論から言うと、『ビジョンがテクノロジーを創る』ということ。



21世紀は尋常でないスピードとスケールで新しいテクノロジーが生まれています。
リアルタイム、位置情報、AR、ソーシャルゲーム等の新技術。
そのプラットフォームとなるGoogle, Facebook, Twitter。
そして現実とデジタルを融合するモバイルの存在等。

日々、ウェブ上には新しいサービスが生まれると同時に、私達はそれに飛びつく。そしてそれと同時に、他のサービスが人々の頭の中から気づけば忘却されている。
ここに見られるのは:
『今』先進的だと思われる価値観を人々を後追いするサイクル

そこである問いかけが必然的に生まれます。
あなたの世界観とは何ですか?
それを換言すると、あなたは具体的にどういった世界を目指しているのか?そこにはどういった想いが込められ、その価値は誰のために、どういった役割を果たすのですか?そこにある世界は『今』を如何に変革するのですか?



そこで気づきます。
私達の人生が有限だというのに、今をベースに夢を考えるアプローチに固執しては、はあまりにも近視眼的。そして虚しい

もちろん、『今』アツいとされる技術をベースに、自分が世界に与えたいインパクトを構想することは大事ですし、意味がある。そしてそれはある意味、ワクワクします。

しかしそれと同時に。今のテクノロジー・ルールに囚われることは、私達の一つの『制約条件』となってしまう。それを意識しないと、無意識に『型』にはまってしまう・・そして思考、アイデア、ストーリーが制限される。



そのサイクルを打破するためには、前提条件を改めて見直す必要性があると思います。

Impossible is Nothingという言葉がありますが、この『不可能は存在しない』というフレーズに込められたメッセージは、『前提』が違うと感じます。

今を所与とすれば実現困難かもしれないけど、未来を前提とすれば『今』は如何様にも変革出来る・・

『今』を揺らす価値を生んでいる人間は、『ビジョン』から『テクノロジー』を生んできました。

ソフトバンクの孫さんも見ている未来は5年~10年先。

先日お送りしたOblong社のマイノリティーレポート世界もまさにそれ。
映画から現実を引き上げてしまう、その面白さ。

記事:Chasm Bridge 35: 新興テクノロジー特集。Googleの新モバイル技術&Oblong社のマイノリティーレポート現実化 #wondershake

もちろんGoogleもそう。先日発表されたGoogle Shopperという新サービスはまさにそれだと思います。
記事原文:Google Launches Powerful Mobile Shopping App for Android

アンドロイドモバイルで『買い物』が変わる。そして人々のライフスタイルが変わる。



セカイカメラももちろんその好事例。代表の@iguchi氏は哲学科出身で、自分が描きたい未来像から思考錯誤の中、セカイカメラの世界観である『リアルとデジタルの融合』を悟り、そしてそのためのテクノロジーを世に生みました。

もちろんアップルのジョブズ氏もそう。

マーケットリサーチ、トレンドとかを超えた世界観。
それを完全に超えることは難しいかもしれないが、実現は大いに可能。その感性を大事にしたい。

@retz氏から自分が受け取ったメッセージ。

前提が今じゃつまらない。前提を5年先の未来にして、その世界で面白い価値を今生んでいこうよ



そして冒頭の結論に戻ります。
実現したい世界観、そしてそれに対する想いによって、現在のテクノロジーを嫌でも引き上げる。
いや、引き上げなくていけない。そう私は思います。

テクノロジーとは技術、そして仕組み。夢を可能にする手段。

今の自分が必要としていた価値が明確化した最高の出会いが本日はありました。

無限の可能性の中で世界観を探究すると同時に、制約条件の中で対話とダイブを通じて知恵を絞る。

それが自分にとってのWonder Shakeに他なりません。

2 件のコメント:

  1. ビジョンがテクノロジーを作るというお話、興味深く拝読させていただきました。僕も最近思っていたのは、ドラえもんみたいなものがイノベーションを作るよねということです。だれも3DビジョンをSFの世界で見なかったら、そもそもそういうものを作ろうという発想までいかないだろうとかそういう話なのですが、最近はドラえもんみたいな夢が減っているかもしれません。

    それはきっと鈴木様がおっしゃる通り、前提が今になっているからなのだと思います。高度経済成長の時は、明るい未来が待っていそうだから未来を前提にできたけれども、現在から見る未来はもしかしたらみんなの中であまり明るくないから、あまり前提にしたくないのかもしれません。

    ふとそんなことを思いました。

    返信削除
  2. 一真様、

    コメント大変有難うございます!
    本当に仰る通りだと思います・・原点・ヒントはドラえもんの中に溢れていますね。
    情報・出会いのスピード・スケールが拡大される中で、気づけばそれを毎日追っている。そんなアプローチだと必然的に『創造性』や『想像力』も失われてしまい、結果として現実を前提にしか挑戦が出来ない疲労状態が生まれるのかと思います。これは自分自身に対して特に言っています・・・笑

    また高度成長期に関しても、大変面白い指摘だと感じました。勉強になります。夢を見ることが許される、それが日常化される雰囲気・場の匂いを創って頂ければと思います!

    まだまだ未熟者ですが、今後ともどうぞ宜しくお願い致します☆

    鈴木 仁士

    返信削除