本日から、世界のソーシャルメディア情報から面白い記事を1つ厳選ピックアップ、和訳していきます。
1月10日の記事は:Mashable: Greg Ferenstein氏の投稿:
3 Ways Educators Are Embracing Social Technologyです。どうぞお楽しみ下さい。
**以下、和訳**
現在米国の多くの学校はある問題に直面している。
近年の予算削減は、クラスサイズの拡大をもたらし、多くの先生が生徒のモチベーションの低さに困難を感じ、多くの学校では生徒のデジタル機器の使用についての問題が生じている。
しかしその中でも、革新的な教育者は前述の問題に対してソーシャルメディアを最大限生かすことで対応しようとしている。現在数多くの実験的な挑戦が行われている中で、仲間の教育者に成功物語をお伝えしたいと思う。Twitter, Skypeに代表されるテクノロジーは私達に安価で望ましいソリューションを提供してくれるのである。
では携帯電話からソーシャルメディアまで、教育界が直面している逆境を乗り越えるために最新テクノロジーを使いこなした3つの学校を以下で紹介したい。
1.Skypeと言語学習
ネイティブスピーカーとリアルタイムでSkype会話が出来る時代に、なぜ教科書を生徒に押し付けるのだろう?
スペインのMarquette University、ここで学生は『Web Camera Chat』を使用することで南アフリカの学生と共に英会話×実践授業を行っている。
『このプログラムに完全に恋に落ちた』とある学生はコメントを残す。
バーチャル交換言語プログラムの創設者である教授のJanet Banhidi氏によると、Skype会話は予想以上に生徒達に『リアルな経験』を提供している。彼女自身は流暢に英語を話せ・教えることが出来るが、時間の制約上、『1対1形式』でしか生徒に対応することが出来ない。しかしSkypeを用いれば、その制約が崩れる。全ての学生が『毎週』『個人ベース』で『無料』家庭教師を得ることが出来るのだ。
Skypeを生かしたことでもたらされた最も大きな変化はおそらく生徒の『モチベーション向上』だろう。Janet氏のクラスを受ける学生の85.3%がクラス外でもSkype対話相手とFacebookを通して連絡を取り合っているのである。当初は、ただ単に第二ヶ国語履修単位を埋めるために彼女の授業を取った生徒も、この経験を通してスペイン語を専攻にする学生も増えてきている。
ここから学べること、それは生徒が与えられた課題をこなすだけではもはや『やりがい』を感じないこと。
そして従来の『受動的』な課題を越えて、自ら『自主的』に課題を感じるものは、学校を出た後でも一生それを自らの糧として生きていくのである。
2.携帯電話の活用
多くの学校が携帯電話の使用を学内で禁止する一方、Wiregrass High Schoolは異なるアプローチを選んだ。
学業経験と携帯電話を融合させたのである。学生はショートメッセージサービス(SMS)を活用することで、先生と問い・答えの受け取りを活発に行える。さらには、協同的・効率的な学習ツールとして、学生は携帯電話を用いてノート交換・内蔵カメラを使って黒板のスナップショットを撮影することも許されている。彼らはまさに『自由』な校風を築き上げようとしている。
そこで上がる疑問。それはルールを緩和することで、その権利を悪用する者が多く出てくるのでは?という問いである。当高校の校長によると、『悪影響は極めて小さい』。
1つの説明としては、状況(Context)の変化が認識に与える影響である。学生が自然とクラス内で携帯電話を使えることで、あえてそれを使う際よりも、使い方が『スマート』になっているのである。こっそりと携帯電話を使うことで集中散漫になるのと異なり、授業と共存する形でデジタル機器が生かされると結果は異なるようである。
またWiregrass High Schoolに代表される学生とデジタル機器との関係性、そこから得られる学びは仕事環境でも同様に応用出来る。ワーカーに一定のパーソナルなウェブ使用時間を提供することで、直観と反して彼らの生産性は高まるのである。
ここで結論として言えることは何か。それは、私達のライフスタイルと密接に関わる(自然化した)テクノロジーを強制的に利用者から引き離すことは、私達からエネルギーを奪うことに成りかねない、ということ。私達の認識を変えてみよう。テクノロジーが認識に及ぼす影響力を認め、彼らが『自然』と認識出来るルール・土俵で、より望ましい結果を描いてみようじゃないか。
そういった勇気が必要な仕掛けが今後『鍵』となるはずだ。
3.Twitterでレバレッジ
多くの大学機関は学内使用のE-mailサービス、又は掲示板を保持している。
しかし、強いインセンティブのない学生にそういった情報源を日常的にチェックするよう仕向けることは困難である。私の大学でも、学生に出来る限り学内ニュース掲示板をチェックするように触発セミナーを開催しているが、そういったやり方では彼らの純粋な好奇心を奪い取ってしまう。『自然』ではないのだ。
その点、米国のLeicester Universityは一味違う。彼らが実施したプログラムでは、現在流行りのマイクロブログテクノロジーが生徒と学校をクラス外でも繋げる。
生徒は試験的にI-Pod Touch・その説明書を受け取り、Twitterを通してアカデミックなつぶやきを一日一定数行うように指示された。小さな運動は気づけば自然とコミュニティーを生み、生徒・教師・プログラムを越えて参加者が返信・ハッシュタグを活用して1つの運動を形成していた。そして学生を対象にした当プログラムは、大学間では顕著なマーケティング事例として認識されるよになったのである。
その結果、近年と比較すると、Leicester UniversityというTwitter検索に対してのフィードバックが大幅に変わった。そこでは生徒・教師・潜在的入学者間で学校にまつわる数多くの会話が反映されるようなったのである。大学全体もこの結果を前向きに受け取り、キャンパス全体での参加を促すまでに至った。
Leicester Universityは今では、学生がテクノロジー・協働スキルを培う環境として、MITを始めとする著名な大学と肩を並べる。
【結論】
ソーシャルメディアが偏在化する時代、学生自身が主体的にテクノロジーを生かせることは、個性を際立たせる『大きな力』として卒業後にも糧となる。
幸運にも、経済的な変化が激しい時期に、ソーシャルメディアは『無料』かつ従来のやり方とは異なるアプローチを自ら選べるプラットフォームなのだから。
**和訳終了**
当記事から個人的に私が読み取ったことは何か?それは:
相手の立場になって、コミュニケーションをとることの重要性です。
認識している問題が、実は真の『問題』ではないことは多々あります。
当記事に関して言えば、デジタル機器に問題があるわけではない、それをどう使用するかに問題があるのです。
私が現在集めているWiki Page:World Innovation×Social Mediaでも触れていますが、世界の『教育』と『ソーシャルメディア』の相性は抜群だと考えています。
これからすくすくと育っていく子供・学生にとっての『ソーシャルメディア』は、一世代上のものとは全く意味が異なります。
若い世代にとって、Facebookを触ることは『空気を吸う』ことに等しいのです。
無意識に同様の尺度で重要性を図ってしまうと痛い目にあう、そう思います。
そんな彼らの認識を否定せずに、その前提の下でより面白い学びの環境を創造する試みが今後より一層必要となってくると感じています。
2010年1月11日月曜日
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